石綿(アスベスト)の有害性

石綿粉塵を吸入することにより、次のような健康障害が発生するおそれがあります。

●石綿肺(じん肺の一種):肺が線維化するもので、せきなどの症状を認め、重症化すると呼吸機能が低下することがあります。
●肺がん:肺にできる悪性の腫瘍です。
●胸膜、腹膜などの中皮腫:肺を取り囲む胸膜にできる悪性の腫瘍です。

これらの疾病については、石綿粉塵を少量吸入しても発症する可能性があり、また、石綿粉塵の曝露から発症までの期間が相当に長いこともあります。建築物から劣化した石綿粉塵が発散し、その粉塵を吸入する可能性があります。

アスベストの種類と使用場所

天井材:スレートボード、珪酸カルシウム板第一種、パルプセメント版
吸音断熱材:石綿含有ロックウール吸音板、石綿含有吹き付け材
天井結露防止剤:屋根折板用断熱材、石綿含有吹き付け材
床材:ビニル床タイル、フロア材
外壁・軒天・外装材:窯業系サイディング、スラブ石膏板、押出整形セメント板、スレートボード、スレート波板、珪酸カルシウム板第一種
耐火被覆材:吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール、石綿含有耐火被覆板、珪酸カルシウム板第二種
屋根材:スレート波板、住宅屋根用化粧スレート
煙突材:石綿円筒、石綿含有煙突断熱材

石綿障害予防規則

1970年~1990年にかけて大量に輸入され、その多くは建材として建築物に使用されました。今後これらの建築物の老朽化による解体工事の増加に伴い、解体工事従事労働者と、近隣住民への石綿による健康障害の発生が懸念されます。こうしたことを踏まえ、平成17年7月から、石綿障害予防規則に基づき、必要な措置を講じなければならないこととしてきましたが、今回、さらに、関係労働者の健康障害防止対策の充実を図るため、吹き付けられた石綿等の封じ込め、または囲い込み作業にかかる措置等の内容が新たに盛り込まれた改正石綿障害予防規則が、平成18年9月1日より施工されました。